高気密・高断熱住宅のメリット・デメリットは?体験談も紹介!


高気密高断熱住宅とはなにか?メリット・デメリットと注意点など説明していきます。

高気密高断熱住宅とは

住宅において高気密高断熱とは何でしょうか?

室内の空気が外にもれない、あるいは外の空気が室内に入らないようすることが高気密です。また、家の壁や天井、窓、ドアの造りを熱が伝わりにくいものにし、外壁と室内の壁の温度差を大きくすることが高断熱です。

ヨーロッパの寒い地域では、冬の寒い時期でも早で快適に過ごせるように、気密性、断熱を高めた住宅が主流です。例えば、同じ暖房を利用した場合、外気が氷点下20度でも、断熱性の高い家は室内との温度差を上げることができるので断熱性の低い家と比べると室内が暖かいことになります。

また、気密性が低いとせっかく温めた室内の空気が外に逃げたり、逆に冷気が室内に入って部屋の温度を下げることになります。高気密高断熱住宅の方がそうでない住宅と比べ、同じ暖房でもより暖かいということになります。

暑い場合も同様に考えることができます。外気との温度差を大きくすることができると、同じ冷房でもより低い温度まで冷やす事ができます。また、外の暑い空気が室内に入ると室内の温度が上昇しますので冷房をかけている場合は気密性が高い方がより涼しくなります。

高気密高断熱のメリット

メリットとしては次のものが挙げられます:

  • 省エネ、節電。より弱い暖房または冷房で同じぐらいの快適さを得られるので、エアコンなどの稼働率を下げたり、より省エネな温度設定にすることが出来る。
  • 結露の抑制。壁や窓の断熱性が上がり室内側の温度が上がると結露しにくくなります。
  • 室内の部屋間の温度差が小さくなる。気密性が高いと暖房または冷房を入れていない部屋が冷えにくくなり、部屋間の温度差が小さくなります。
  • 全館空調システムにすることで間取りの自由度が高くなる。

高気密高断熱のデメリット

一番大きなデメリットと思うのは、初期投資が高価である点です。高断熱にするための断熱材や、断熱および気密性を高めた窓などは一般住宅のものではありません。

高気密であるがゆえに、設備による換気が必要になります。一般に第1種換気システム(熱交換システム)が用いられます。

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2017.03.30

さらに使用時のデメリットとして、部屋ごとに個別の温度設定をしにくいことも挙げられます。

また、中古住宅を高気密高断熱に変えることは注文住宅よりも高くなる可能性が高く、施工した結果十分な気密性を得られないリスクがあります。

高気密高断熱住宅のエアコンについて

高気密高断熱であるために、基本は全室24時間連続冷暖房です。一度家の中が冷めた状態から暖かくなる状態に持っていくのが多くのエネルギーを要するからです。

実際に1年ほど住んだことがある人の話で、それでも電気代は安くなるとも聞きました。一方、春や秋など外気と温度がほとんど変わらなければ、冷暖房を消して窓を開けるだけで十分の人もいるようです。

高気密高断熱住宅のエアコンの選び方ですが、エアコンの対応畳数を部屋の畳数にあわせてしまうと過剰になることが多いと言われています。

暖かい空気が上昇する性質のため、部屋の天井付近と床の付近の間に温度差が生じます。エアコンは多くの場合天井付近についておりますが、寒冷地用のエアコンは床上に置くタイプがあります。

エアコンが天井付近についていると、暖房をかけた際に暖かい空気が天井付近にとどまり、足元がなかなか温まりません。そのため床上タイプだと暖かい空気が上昇する特性を活かして部屋全体を暖かくすることができ、暖房に強いタイプと言えます。逆に、冷たい空気は下降するので、天井付近に取り付ける形式は冷房に強いタイプと言えます。

エアコンの上手な使い方としてサーキュレータも一緒に利用する事です。サーキュレータで空気をかき混ぜることで部屋全体の温度が均一になります。

高気密高断熱住宅の暖房について

高気密の家の暖房では酸素を消費する薪ストーブや灯油ファンヒータなどの暖房器具は利用できないと言われています。もしも使うときは、必ず窓を開けての換気が必要になります。

理由は明確で、酸欠になるリスクがあるからです。外からの空気で燃焼し外に排気するストーブもあり、そのタイプならば問題ないと考えられます。ただし、燃焼により水蒸気が生じるので、結露のリスクが高まります。

床暖房は床の冷たい空気を暖めて、自然に上昇気流を生じさせ部屋全体を暖めるのに有効です。

高気密高断熱住宅では家全体が温まるので、足元の空気と天井近くの空気間の温度差は小さくなりやすく、レベルの高い高気密高断熱住宅では不要だとの意見もあります。逆に、気密性が十分得られないまたは空間が広すぎる場合、床暖房は有効だといえます。

高気密高断熱の吹き抜け間取りについて

家が高気密高断熱の場合は、換気システムが必要になると書きましたが、換気と同時に冷暖房の機能を兼ねた全館空調システムとすることも可能です。全館空調システムを利用することで間取りの自由度は高くなります。

ただ、高気密高断熱住宅で吹き抜けを設ける時の注意点として施工する業者により家の気密性、断熱性に違いがあることです。吹き抜けは大きな空間で上部と下部で温度差が大きくなりやすいです。

断熱性の高い家では家全体の温度が均一になるので、上下の空気の温度差が小さくなります。また、気密性が高いと外から冷たい空気が入り足元を冷やすことを防げると考えられます。

吹き抜けを設ける際にはできるだけ気密性断熱性の高い設計ができる業者を選ぶことが重要だと思います。


体験談:高性能な高気密高断熱住宅でも快適さは変わらない?

最近はどの家も高気密高断熱で、「夏は涼しく、冬は暖かく」というのが当たり前になってきていると思います。とはいえ、その言葉を実現するには、高い建築技術と高い資材、そして高い設備が必要です。

我が家が決めた工務店では、二つの工法が選べました。

  • とても高性能な高気密高断熱と温度・湿度の管理(1年中、専用の屋根裏エアコンつけっぱなしで建築費は200万円UP)
  • そこそこ高性能な高気密高断熱と温度の管理(通常の建築工法)

「高性能な高気密高断熱がいいけれど、値段を考えたら通常の高気密高断熱かなぁ」という意見と、「後から変更できないから高性能な高気密高断熱にするべきだ」という意見で、夫婦の意見は分かれました。

話し合った結果、我が家が選んだのは、通常の高気密高断熱の工法でした。それには、値段だけではない理由があったのでお伝えしたいと思います。

参考までに、私たちは兵庫県在住の20代夫婦で、まだ子どもはいません。

 

当然ながら、最初は工務店に高性能な高気密高断熱を勧められました。工務店が過去に建てたすでに何年か住んでおられるお宅を見学させてもらうと、確かに200万円の価値を出すほどの、とても快適な暮らしをしておられました。

屋根裏に設置された巨大なエアコンで全室管理しているので、ストーブやエアコンといった器具がなく、ほどよく湿度も管理されているので、お風呂にはカビひとつありませんでした。

こんな暮らしができたらいいなぁと思いつつも、「やっぱり値段を考えると…」と思っていた頃に、通常の高気密高断熱の家も紹介してもらいました。その時に、「あれ?快適がそんなに変わらないな」と思ったのです。

 

地域によって高気密高断熱の必要さは変わるのではないか?

私たちは考えたことが二点ありました。

  • 北海道でも対応できるというほどの高気密高断熱が、兵庫県で本当に必要なのか
  • 一年中エアコンで管理する必要があるのかどうか

北海道ほどの寒冷地ではありませんし、夏になると40度を超すような地域でもありません。きっとそれが、体感の快適さがそんなに変わらなかった理由だと思います。

エアコンが必要なのは、7~9月と11~3月くらいだろうし、なんせ子どもがいないので、全室管理する必要もありません。

子どもが出来たとしても、子ども部屋は小さいので、小さなエアコンをこまめに利用する方が良いと思いました。

1階は間取り上、廊下がなく、部屋同士はほとんどつながっているので、市販の大型エアコン1台でまかなっているようなものです。

我が家は一般的な高気密高断熱で満足しています

結果、私たち夫婦には、一般的な高気密高断熱でよかったと思っています。高性能なタイプでは高い気密性を維持するために、窓は最小限でと言われていましたが、通常の高気密高断熱にしたことによって大きな窓をとることができました。

自然の風が家の中を通り抜けるのはとても気持ちがいいですし、電気代も抑えられています。

ただでさえお金がかかる建築費。「後から変更できないから」というだけで高性能な高気密高断熱にしなかったのはよかったと思います。

とはいえ、高い高気密高断熱の家は確かに快適でした。定年後に建てる家でお金があったなら、迷わず高性能なタイプにしていただろうと思います。

しかし、まだこれからお金が必要になるかもしれない年代に建てた私たちにとっては、一般的な高気密高断熱にすることが良い選択だったと思っています。

兵庫県A様


体験談:高気密・高断熱住宅のエアコン設置

兵庫県KM様の体験談

注文住宅を建てるとともに家電や家具を新調される方も多いかと思いますが、その中でも夏に重宝するエアコンに関しては工事が伴いますのでなかなか悩むところです。

高気密高断熱住宅の我が家では住宅の購入費にかなりの予算を使ってしまい、家電等は同じものならできるだけ安く!と色々調べてみましたが、そこに危険が潜んでいました。

高気密・高断熱のエアコン設置工事の注意点

新築住宅の場合、エアコンに関してはまず2パターンに分かれます。

  • 建築時にエアコン用のスリーブが取り付けられている場合
  • 何も処理がされていない場合

我が家の場合、スリーブの取り付けはなく、発泡ウレタンによる断熱だったので工事後に発泡ウレタンで埋めればいいと安易に考えていました。

しかし色々と調べていると、高気密高断熱住宅でヘタな工事をしてしまうと気密性や防水性能が落ちてしまいかねないということが分かりました。

高気密高断熱住宅のエアコン設置はハウスメーカーへお願いした

最初に考えていたのはエアコン購入、エアコン設置業者ともにネットで探すという方法でした。しかし、購入はどこで買っても同じですが、工事は信用できる業者でないと任せられないという結論に至りました。困った頃に廃業されていたらクレームのつけようもありません。

次に大手量販店で工事込みでエアコンを購入することでしたが、これについても気密性・防水性低下のリスクを考えると踏み切る気にはなれませんでした。

結局、最終的な我が家の選択は、ネットで安く購入し、ハウスメーカーに取り付けてもらうという方法でした。やはり、高気密高断熱住宅を建築している業者にエアコンを取り付けてもらうのが一番安心できますし、万が一、何か問題が生じた時に責任の所在がはっきりしているというのは大きかったですね。

高気密高断熱住宅エアコン設置方法アドバイス

住宅全般でもそうですが、高気密高断熱住宅では外壁を貫通するエアコン工事には注意した方がよいと思います。

建築時にスリーブを設置してもらうか、エアコン工事は実際に高気密高断熱住宅を施工しているハウスメーカーや工務店にお願いすることをおすすめします。

高気密・高断熱の住宅はエアコン・暖房の効きも良く快適に過ごせますが、せっかくのマイホームの性能が下がってしまうかもしれないリスクは避けたいですよね。

兵庫県KM様


まとめ

高気密高断熱住宅について
  • 高気密高断熱住宅は省エネ、快適性の面でメリットが大きい
  • 気密性が高いため、換気のシステムをしっかり考える必要がある
  • 冷暖房の形式は全館空調システムを利用する事で、高気密高断熱のメリットを最大化できる
  • 施工業者によっても気密性断熱性が変わる。天井に吹き抜けを設ける場合などは注意が必要。
  • 高性能な高気密高断熱住宅はより快適だが高額。一般的な仕様でも快適さは確保できる。
  • エアコン工事には注意。高気密高断熱住宅を施工しているハウスメーカーや工務店に頼むのがベター。

冷暖房について地域も含め住宅購入前に考える必要がある

2016.11.24