空中契約をして解約しました。土地なしの私が経験した苦い記憶

注文住宅を建てようとお考えの皆様、土地からお探しですか?
それとも土地はお持ちで、建て替えをお考えですか?

我が家は、土地から探していました。
もともと土地付きの戸建ての賃貸に住んでいましたが、隣地に高層マンション計画が浮上したため、立ち退きを余儀なくされたためです。

仕方なく土地探しを始めてみたものの、希望通りの土地がなかなか見つかりません。

足踏みを続けている間にも時は刻々と過ぎ、当初、二年近くあると思っていた賃貸の退去日がどんどん迫ってきました。

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土地が決まってない段階でのハウスメーカー探し

注文住宅を建てるには、思ったよりも時間がかかります。
打ち合わせから含めると、7か月~12か月は期間を見なければいけないため、そうそうのんびり構えてはいられません。

「これは、土地探しと並行して、ハウスメーカーも検討しなければ」と、土地の目星もつかないまま、住宅展示場に飛び込みました。

土地が無い客は敬遠されるかと思っていましたが、そこはそれ、客には変わりないようで、どのハウスメーカーも「それでしたら、一緒に土地を探しましょう」と手を差し伸べてくれました。

実際問題、個人で不動産会社を頼りに土地を探すより、ハウスメーカーに依頼した方が、確実に土地の情報を多く得ることができます。

それもそのはず、仲介会社からしてもハウスメーカーからしても、情報を共有したほうが確実に顧客を得ることができるのですから、目ぼしい土地の情報は、すぐにハウスメーカーに流れるようになっているのです。

なるほど、個人で仲介会社にお願いしても、有益な情報が得られなかったわけが少しわかった気がしました。

ハウスメーカーのパイプを利用して、土地の情報が得られるようになったことで、暗い迷路をさまよっていた私達にも一筋の光明が差し込んだ気がしました。

建物についても勉強

気に入ったハウスメーカー数社に土地探しをお願いして、今度は注文住宅について勉強することにしました。

各メーカーのモデルハウス、建築現場の見学、入居済のお宅訪問など、週末の度に色々なところを見に行きました。

土地探しは先が見えず、売り出ししている土地を見ても、そこがいいのか悪いのか、どのくらいの建物が建てられるのか、素人目にはさっぱりわかりませんでした。

ところが、ハウスメーカーが案内してくれるところは、現物の「家」があり、全て見たり触れたりすることができます。

モデルハウスのような家は、現実には建てられないと分かっていても、いざ目の当たりにすれば心躍るものです。

「土地探し」という最難関課題が残っているにも関わらず、主人も私も、すっかり注文住宅の虜になってしまいました。

土地がみつからないままハウスメーカーと契約!?

しかし、夢はいつかは覚めるものでした。
ハウスメーカーの営業マンも、そうそう甘い夢ばかり見せてはくれません。

モデルハウス見学、要望のヒアリング、建築実例見学、土地を元にプランニング、概算見積もり等行っていった結果、何社かのハウスメーカーと「あとは契約だけ」という状態まで行きついてしまいました。

「土地がまだ決まっていないのだから」と、ある種たかをくくっていた私達は、「仮契約」や「契約」という言葉を聞いて、驚きを隠せませんでした。

時は8月、くしくも決算前で、各ハウスメーカーとも契約数が一番落ち込むと言われている時期でした。

検討を進めていたハウスメーカーのうち、2社から「契約」もしくは「仮契約」をと迫られました。

その時、土地の候補地はいくつか出ていましたが、正直、まだ決めかねている状態でした。

土地の情報も、ハウスメーカー1社が「未公開の土地です」という状態で持ってきていればそのハウスメーカーに決めていたかもしれませんが、どこの土地も各ハウスメーカーがチェックを入れており、「うちは契約前には土地探しはしません」と言ってきた1社を除いては、土地の情報で優劣はつけられませんでした。

土地が決まってからハウスメーカーを決めればいいとばかり思っていた私達は、すっかり当惑してしまいました。

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土地なしのまま建物の契約をする『空中契約』へ

契約を迫ってきた2社は、モデルハウスや建築実例を見て、とても気に入ってはいました。

共に外観、内装のバランスかとれており、目立った欠点も無く、予算にも収まりそうだという評価であっただけに、土地が決まらない段階でいずれかに絞ることはしたくなかったのです。

しかし、1件の契約を取りたいがために、2社とも猛アピールを仕掛けてきました。
どちらの営業マンも、私達が数社の中で検討してきたことは知っていましたので、必死です。

値引き、キャンペーン、サービス、プレゼント等々、ありとあらゆる手を使って、「これが精一杯です」と頭を下げながら、破格の契約金額を提示してきました。

通常、「値引き」や「サービス」で下げられる金額は、契約金額の5%程度、どんなに多くても8%と言われましたが、今回提示された値引き額は、9%を超えていました。
よほど必死だったのだと思います。

結局、破格の契約金額に魅せられた私達は、営業マンの強引さも手伝って、ひともんちゃくふたもんちゃくありながら、契約書にサインをしてしまいました。

空中契約後も土地はみつからない

契約を結ぶ前までは、「夢」をあれこれ語ってくれた営業マンでしたが、契約してからは全てが現実の話です。

契約前に、「土地がまだ見つかっていない点が、どうしても引っかかる」という旨を伝えたところ、「うちは契約してからが本当のお客様です。契約をしていただければ、何としても土地を見つけてきます。」と答えた営業マンの言葉を信じ、契約後初めての打ち合わせに臨みました。

結果、土地の情報に関して、私たちが期待していたような情報は無く、どれも売れ残りか、狭いか、予算オーバーになってしまうような物件しかありませんでした。

暫定的に、予算オーバーとなってしまう土地でプランニングを始めましたが、予算を考えると、到底、現実的ではありません。

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空中契約は非常識であることを知る

こうして、土地探しが進まないまま、手が届かない土地でのプランニングが進んでいきました。

担当の営業マンはなかなか優秀な方で、プランニング自体は順調に進んでいきました。
私たちの要望をあらかた吸収した上で、ベテランならではの視点で細かい提案をたくさん出してきました。

ただ、いかんせん肝心の土地が見つかりません。

担当の営業マンは「宅地建物取引士」の資格を有しており、私たちはそこにも期待していたのですが、悪いことには担当エリアが「神奈川県央エリア」であり、私たちが希望する「神奈川県南東エリア」では無かったのです。

当然、地元仲介業者とのパイプは無く、頼りは市外(それも県内のだいぶ離れた場所)にある仲介業者のみです。

結局、土地の情報を得るために他のメーカーとの繋がりも絶てず、ただただ住めもしない家のプランが形になっていきました。

あっという間に一ヶ月が経ち、架空の家はほぼ形になりましたが、結局、土地は見つからないままです。
土地が無い以上、それからどうすることもできません。

そもそも、先にハウスメーカーと契約してしまったことが間違いだったのでは、と思い始めた頃でした。

土地の情報を得る為、私達はある大手ハウスメーカーの門を叩きました。
「もしかしたら、未公開の土地情報があるかもしれない」と、藁にもすがる思いでした。

大手ハウスメーカーの担当者に、それまでの経緯を正直に伝え、「土地は決まっていないが、すでにハウスメーカーと契約している」ということを伝えると、営業マンは「今時そんな契約をしている会社があるんですか」とたいそう驚き、『空中契約』について教えてくれました。

『空中契約』とは、「土地が無いのに、先に建物の請負契約を結ぶこと」であり、建物が地についていないことからその名がついたようです。

まさに、私達が結んだ契約の事でした。
違法ではありませんが、どう考えても順序が逆であることは言うまでもありません。

営業マンは、続けました。
「当社では、土地が決まってからでないと建物の契約を結んではいけないことになっています。土地が決まっていないのにどうやって契約を結ぶのか、私には見当もつきません。それでも、昔はそういうことをするメーカーがあったと聞きます。しかし、今はほとんどありません。トラブルの元になるからです。」とのことでした。

その時、初めて『空中契約』という言葉と出会い、それが業界ではタブー視されていると知り、主人も私もものすごいショックを受けました。

それまで、プランニングをしてきた担当者の言葉は何だったのか、わずかながら築き始めていた信頼関係が、ガラガラと音を立てて崩れていくのを感じました。

空中契約を結んでしまっての反省点

今思えば、担当の営業マンが「必ず土地を見つけます」と断言したのも、セールストークの一つだったのでしょう。

プランニング自体は非常に勉強になりましたし、私たちのライフスタイルに合わせた間取り、主人がこだわった外観、どうしても大きく取りたかった収納等の要望をほぼ叶え、かつ、希望に沿った坪数にまとめ上げていただいたのは、素晴らしいと思っています。

本当に、土地さえあればすぐにでも着工したかったと、今でも思います。

私たちが希望するような土地が見つからなかったのは、その営業マンだけのせいではないという事は、もちろんわかっています。
どこかで妥協をしなければいけないというのも、わかってはいます。

しかし、私たちが契約を結んだハウスメーカーより、契約を結ばなかったメーカーのほうが、土地探しにはよっぽど尽力してくれました。

それは「土地が無いと家が建たない」という大前提を、どのハウスメーカーも理解していたからです。

私達は、『空中契約』をしてしまったが為に土地を探してもらえず、「プランに満足さえすれば、土地には妥協するだろう」という営業マンのワナにまんまとかかってしまったのです。

 

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空中契約を解約

結局、2か月近く費やしたプランは夢と消え、契約の白紙撤回(解約)を求めることになりました。

そのハウスメーカーの建物が気に入らなかったわけではありません。
ただ、そのメーカーに頼っていては、いつになっても土地が見つからず、家は建てられないと悟ったのです。

『空中契約』を結んでも、家は建てられるでしょう。
しかし、やはり大半のハウスメーカーが「空中契約をするなんて」と声を揃えるのには、やはり理由があるのです。

夢をもってハウスメーカーの門を叩く方に、私達と同じような経験をしてほしくないと、切に願います。

神奈川県 女性



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