安全性を考えた注文住宅の階段の段数・幅・手すりなどについて

黒い手すりの白いらせん階段を下から見た様子

【体験談より】注文住宅での階段についての大切なポイント

群馬県30代男性

 

木造2階建ての家を自由設計で建築中です。

まだ子供が小さいこともあり子供の思い出に残る家を創ろうと一念発起しました。

これから30年以上、あるいは一生住む家ということで約1年掛けて様々な家のことを学びました。

注文住宅は「注文住宅」だからこそ施主の思い通りにすることができます。

しかし本当に良く調べて確認しないと、設計段階の“思い通り”は家が建った後の“思い通り”とは違うかもしれません。

「なんでもっと良く考えなかったのか、、」とか「なぜ選択の誤りを指摘してくれなかったのか、、」と後悔してしまいます。

今回は階段にテーマをしぼって大切なポイントをご説明したいと思います。

 

階段は住みやすさと安全の最重要ポイント

家を建てると多くの場合は2階建てや3階建てになります。

平屋は非常に魅力的ですが、屋根や基礎の面積が増えるため総二階建てと比べて価格は1.2~1.5倍ほどに高くなります。

マンションやアパート暮らしの場合あまり意識していないことが多いのですが、戸建てでは想像以上に階段の利用頻度が多くなります。

一般的には1階に玄関、LDKとお風呂、トイレがあり2階に寝室やクローゼット、バルコニー(洗濯物を干すところ)があることが多いと思います。

すると最低でも1日1往復、実際には5~10回程は階段を往復することになります。

1年で1000回以上昇り降りをするのが住宅の階段です。

そんな階段の怖いところは転落事故です。5歳までの住宅内の怪我の原因第一位は「階段」です。

安全で使いやすい階段作りが家づくりの成功の秘訣と言えます。

 

廻り階段は5段廻りがおすすめ!

私の家では一般的なU字型の間取りの廻り階段ですが、珍しい5段廻りを採用しました。

廻り部分は一般的には45°ずつの踏み板を使った4段回りや30°ずつの踏み板を使った6段廻りが普通だと思います。

安全面を考慮すると完全な直線の階段は非常に危険です。

踊り場を設けることで、万一の転落時に怪我を最小限に抑えることが出来ます。

6段廻りでは踏み板が狭く、段数などの制約がクリア出来れば4段廻りを選ぶ方が良いと思います。

しかしこの4段廻りには誰も教えてくれないデメリットが隠されています。

それは階段の踏み板の奥行きの違いによるステップ感がそこで崩れるということです。

直線部分よりも廻り部の踏み板面積が広くなり階段の昇り降りの際にリズムが崩れます。

すると一定のリズムの踏み幅と比べた際に、踏み外しのリスクを高めて危険性を増してしまうのです。

 

そこで直線部と廻り部のバランスが一番良いのが5段廻り(36°)ということです。

実際に完成した階段を歩いてみましたが、リズム感が良く踏み板も十分な幅があり非常に安全です。

既製品のメーカー製階段でも僅かな差額で選択できます。

十分な踊り場を設けることがベストですが、限りあるコスト=面積の中で階段部分の面積が大幅に増えてしまいます。

是非、合理的に安全性を追求した“こだわりの5段廻り階段”を検討してみてください。

 

階段の手すりはどちら側につける?

階段の手すりをどちら側につけるかは、多くの議論が行われており明確な答えは見つけられません。

ハウスメーカーによって廻り階段の場合には標準が内回り、外回りと分かれていることもあります。

私の家では平面図上で反時計回りに登る廻り階段です。(左に曲がりながら登る)

私の結論は手すりは利き手側で廻り階段は内回りの手すりが原則です。

一般的には右利きが多いので、階段を降りるときに右手側に手すりをつけておくのが安全です。

いざというときに利き手は力も入りやすく体重を支えることが出来ます。

 

そして内回り、外回りの議論については内回りが良いと考えます。

“内回りは回り階段の踏み板が狭く、人は自然と外側の広い方を降りるので外回りの手すりが一番”という意見があります。

しかし良く考えると、広い外側の踏み板を使って降りているときは、ゆっくりと安全に階段を降りているときです。

問題となるのは階段内側を駆け下りているときに、すぐそばに手すりがあるかだと思います。

人は急いでいるときに無意識に内側ギリギリを通ります。

トラック競技の場合、外側は距離も増えて不利なので内側が有利となります。

当たり前といえば当たり前ですが、安全を保つ必要があるときに内回りの手すりが必要ということです。

これらを総合的に考えると回り階段は右利きの場合には右回りで、内側に手すりがある階段が一番安全ということになります。

 

コストや見た目を気にしなければ階段の左右に手すりを設け、しかも低い位置と高い位置の2段構えが一番です。

しかし現実的には片側に1本ということになると思いますので慎重に検討することが必要です。

手すりの高さは750mm程度は標準的ですが、うちは階段の幅も広く手首の位置はやや高くなるので850mmにしました。

手すりの高さも実際に階段を昇り降りしてベストの高さを決めてください。

 

尺モジュールは狭い。階段部だけメーターモジュールも出来る?

建築におけるモジュールというのは家を設計するときの基本的な尺度、単位のことで尺モジュールの場合は柱の芯から芯まで910mm(3尺)を基本としています。

尺モジュールの場合には実際の壁の内のり寸法は約78cmになります。

一方で近年メジャーになりつつある「メーターモジュール」は、同じく柱の芯から芯までを1000mm(1m)とした住宅です。

この場合には壁の厚さを引いた内のり寸法は約87cmとなり尺モジュールよりも9cm程度広くなります。

この違いは大きく、洗濯物のカゴを持って階段を上がるときに尺モジュールの約78cm幅ではギリギリで狭く感じます。

しかしメーターモジュールの場合にはかなり余裕が生まれ、壁にぶつからずにラクラクと登ることが出来ます。

 

ではメーターモジュールがすべてにおいて優れているのでしょうか?

問題はコストです。

同じ間取りで尺モジュールをメーターモジュールにしてしまうと面積も増えて建物価格が高くなってしまいます。

そこでおすすめなのが階段部分だけメーターモジュールを採用することです。

私の家の場合は、階段と階段下のトイレだけメーターモジュールを採用したので広々として快適な広さを確保しています。

しかしそれ以外は一般的な尺モジュールでコストを抑えています。

かなり裏技的な方法ですが、モジュールのミックスは現実的には可能なので、ハウスメーカーに相談してみると良いと思います。

関連:メーターモジュールのメリット+尺モジュールについても知っておこう

 

注文住宅では階段も含め、安全性にも配慮して設計を

注文住宅は自由に間取りや設備、色などを選ぶことが出来るので非常に大変ですが、楽しさや満足感も高い買い物です。

しかしその要素の中に是非「安全性」も取り入れてみてください。

階段は特に事故が多いポイントですので、手すりなどを工夫するだけで安全性が高まります。

それ以外にも子供が見通せるかや、ドアの開き方、スイッチの位置や窓や腰壁の高さなど安全に関わることはたくさんあります。

これらも良く検討することで、末永く住める快適な住まいが手に入ります。

 

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