違法建築でリフォームできない!?耐震と断熱をあきらめた…

このページは、『中古戸建の違法建築のリフォームを試みた』という体験談を紹介するページです。

それではどうぞ。

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築38年の中古戸建。耐震診断をしたら…

神奈川県30代女性

耐震について初めて真剣に考えたのは、東日本大震災があった2011年の時でした。

神奈川は震度5でしたが、当時2歳にも満たない我が子を抱え、どうなることかとオロオロしたものです。

その時、我が家は築38年。木造2階建てで、耐久性が高いとはとても言えない家でした。

翌年、声高に耐震が叫ばれ始め、木造住宅の無料耐震診断を自治体で実施することになりました。

早速、応募したところ、助成金が出された範囲で耐震診断をしていただけることになりました。

自宅は、主人が高校生のときに、主人のお母さんが建てた家でした。

建てた当時の詳しい資料は残っていませんでしたが、木造ということは分かっていましたので、わかる範囲で申請用紙を書き、一級建築士事務所に依頼して、診断をしていただきました。

結果、わかったのは全く想定外の事実でした。

 

耐震診断の結果が出ない!?

当時、市の耐震診断が受けられたのは、木造住宅、それも軸組み工法で建築された家で、かつ昭和の建築基準法改正前に建てられた住宅が対象でした。

我が家は、当然、建築された時期はクリアしています。工法も当時はほぼ軸組み工法でしたので、当然、木造軸組工法だと信じて疑っていませんでした。

しかし、耐震診断の際、床下から屋根裏まで、よくよく調べてみたところ、なんと、木造軸組工法ではなく、2×4工法で作られていたことがわかったのです。

さらに、新築から4年後に増築をしていたのですが、増築部分は軸組み工法だと言われました。

担当者は女性の一級建築士さんでしたが、非常に深刻な顔をしていました。

私達は、説明に耳を傾けながらも、事態がよく飲み込めていません。

そして、肝心の耐震診断の結果はというと、「結果は出せません」というのです。

 

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我が家は違法建築!?

私も主人も、耳を疑いました。よくよく話を聞くと、こうです。

この家は、2×4工法で作られています。

耐震診断の対象は、軸組み工法で建てられた住宅です。この家は対象外です。

さらに、増築部分は軸組み工法です。

本来であれば、2×4の建物には、2×4でしか増築をしてはいけません。

どうしてそんなことになったのか、経緯はわかりませんが、この家は違法建築物に該当します

ただの2×4なら、市の助成の対象からは外れますが、自費で耐震診断は可能です。

しかし、異なる工法で増築されてしまっていては、耐震診断自体が不可能です。

信じられない話の数々に、主人も私も、にわかには内容が理解できませんでした。

ただ、はっきりとわかったのは「わが家は、耐震診断が出来ない、違法建築物」ということです。

私達が計り知れないショックを受けたことは、言うまでもありません。

結局、一級建築士さんに平謝りし、市の担当者にも事情を説明し、耐震診断の為に調査をしていただいた費用だけは、助成金が降りることになりました。

 

耐震・断熱リフォームをしたい

あれから数年、日本列島では相変わらず各地で地震が絶えません。

違法建築物と言われた我が家は、間もなく40歳をとうに過ぎていました。

数年の間にリフォーム業界は活性化し、マンションの「リノベーション」や、戸建ての住宅の「リフォーム」、果ては「新築そっくりさん」なんていうネーミングの商品まで登場しました。

違法建築物の判を押されても、私達にとっては、古き良き我が家です。

「やっぱり、今の自宅に耐震工事をして、あと20年住みたいね」という考えに夫婦で一致し、リフォームに向けて動き始めました。

 

私達が望んでいたのは、以下のようなリフォームでした。

  • 耐震工事
  • 断熱工事
  • 屋根の修繕
  • 外壁塗装
  • キッチンリフォーム
  • 浴室改修
  • 畳の張替え

細かいことを上げたらきりが無いのですが、大きくは上記のような感じです。

築40年ともなると、日当たりが良くても冬は激寒です。

特にお風呂が辛くて、浴室暖房はつけていましたが、風呂ドアが壊れていて隙間風が入るし、全面タイル貼りで冷たいなんてもんじゃありません。

以前から心配だった耐震工事と、長く住み続けるための断熱工事は、リフォームの必須条件でした。

 

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違法建築だからリフォームができない

今のリフォームは、とても革新的です。リフォーム会社の広告を見ると、「築50年の家がこんなに綺麗に生まれ変わりました!」とか、「耐震等級2が取得できます」など、目を疑うような謳い文句が書かれています。

しかし、ビフォー・アフターの写真を見ると、本当にため息がでるような出来栄えです。

ホームページや広告で見た内容を、我が家に置き換えてみました。なんだか、わくわくしてきます。

あれやこれやと夢を見ながら、リフォーム会社数社にメールで見積もりをお願いしました。

 

ところが、一度全ての会社にメールを送った後に、はたと、耐震診断の際に一級建築士に言われた「違法建築である」ということと「耐震の診断ができない」と言われたことを 思い出したのです。

念のため、それらの条件を付け加えて、再度リフォーム会社に見積依頼を送り直しました。

その時点では「まあ、念のため言っておいた方がいいよね」というぐらいの軽い気持ちでした。

 

しかし、リフォーム会社から「見積もり依頼をいただきました」という機械的なメールの返信はもらったものの、その後の応答が一日経っても、二日経っても来ません。

なぜかと首をかしげていると、ようやく一本の電話が入りました。

見積もりを依頼していた、ハウスメーカー系の大手リフォーム会社からでした。

主人が電話を受けたのですが、「えっ!」と、一声大きく発したきり、固まってしまったのです。

どうしたのかと話を聞いてみると、耐震のリフォーム、断熱のリフォームはできないと言うのです。

それはなぜかと言うと、答えは簡単で自宅が違法建築物だからという理由でした。

 

耐震の等級を取るのは難しいだろうな、ということは想像していましたが、まさかリフォームまでしてくれないとは…。

企業からすれぱ、違法建築物にリフォームを施すことは、できないのだそう。

しかし、コンプライアンスが厳しい大手ではなく、中小だったらできるのかもと望みを託し、 地元の工務店、小さなリフォーム会社にも見積もりを依頼してから、一週間。答えは全て同じでした。

一社だけ、「耐震工事ができるかも知れない」と返事をいただいた会社もありましたが、それにも厳しい条件がありました。

それは、「木造軸組で増築した部分を全て完全に取り除いて、純粋な2×4の家に戻してからだったらリフォームできるかも知れない」と言うのです。

増築部分は、2階の一部屋まるまると、1階の 一部屋を広げた部分なので、取り除くことなど不可能です。

 

結局は、どこの会社にお願いしても耐震のリフォームはできないという結果でした

キッチンの設備を取り替えたり、浴室の改修を行う等の小規模なリフォームはできるとのことでしたが、それでは意味がないのです。

私たちが求めているのは、耐震と断熱が一番大きいのですから、それが出来なければリフォームができないことと同じです。

 

おわりに

長年、住んでいた我が家が違法建築だなんて、 夢にも思いませんでした。

まして、そのせいでリフォームができないとは…。

我が家の新築・増築を手掛けた施工会社は、とうの昔に破綻してしまい、今はありません。

この行き場のない怒りと悲しみは、どうすればいいのか。

冬の寒さに震えながら、頭を抱えるしかないのでした。

 

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