建ぺい率・容積率オーバーの物件は違反建築のため是正命令を受けるの!?


東京都・Y様より

建ぺい率容積率をオーバーしている物件を購入した体験談です。

リスクに関してなど、勉強にもなる内容になっています!

東京都・Y様の中古住宅の購入体験談

インターネット中心に物件を探し始める

私たち家族が中古戸建を購入した時の話です。

私の実家の近くに夫と2歳になる子供1人と家族3人で賃貸住宅に住んでいました。

が単身の時に貯めた貯金もあり、両親からも援助を受けられることになり、残りは夫が住宅ローンを組むという形で家族で話し合ったのち、自宅周辺のエリアで一戸建てを探し始めることにしました。

諸費用も含めて3,000万円以内の予算で中古、新築を中心にインターネットでみて気になるものなどは問い合わせをして内覧するといったようなことをしていき、相場観がついていくのがわかりました。

少しエリアを広げたりしながら20件ほど内見したと思います。

気になる物件を見つけ仲介会社さんと内見へ向かう

そんなことをしていて半年くらい過ぎたころに不動産情報サイトに希望条件を登録していて新しい物件が出た時にメールが届くのですが、自宅からそう遠くもなく実家から近い地名で中古の情報が届きました。

築12年2,180円3LDKで外観は写真も載っていましたがきれいそうな感じで「いいかも!中をみたいな!」と思いすぐに週末に内見したい旨の問い合わせをしました。

週末になり不動産仲介会社さんが自宅まで車で迎えに来てくれ家族3人で車に乗り込みました。

この方がこの後購入に至る際に担当者になる営業の方なのですが、40代前半くらいでお客さんの対応はなれてる感じの少し余裕も感じる頼もしい感じの印象を最初に受けました。

この物件は安いなとは思っていたので移動中に私が「なぜこんなに安いのか?」「なぜ売主の方は売るのか?」と質問をしてみました。

そのとき仲介会社さんが「建ぺい率と容積率をオーバーしているためです」と教えてくれました。

建ぺい率と容積率という言葉はこれまでに不動産のチラシで目にすることはありましたが、正確な意味など気にしたことがなくオーバーしているという意味はわかりませんでした。

我々夫婦は当然「どういった事でしょうか?」と質問しました。仲介会社さんが「建ぺい率が60%の場合、土地と建物を真上から見たときに建物は土地に対して60%までしか建ててはいけないんです。

例えば100㎡の土地でしたら60㎡までしか建てられないんです。容積率が200%の場合100㎡の土地に対して建物の延べ床面積は1階~3階合計で200%まで、つまり200㎡までしか建てられないんです」と分かりやすく説明してくれました。


今回の物件はこの規定をオーバーしているとのことで、チラシももらい、そこにも『建ぺい率・容積率オーバーのため再建築のさいは同規模の建物の建築はできません』と記載されていました。

また一番のデメリットとしては住宅ローンの審査がシビアになるといった点だと教えてくれました。

自己資金を聞かれ、
私「2,000万円程の予定です」
仲介会社さん「それですと残りを住宅ローンで借りるのは審査的にも安心です。自己資金が少なかったり、全て住宅ローンでまかなうとなった場合は難しいです。」
私「やっぱり違反してるからでしょうか?」
仲介会社さん「簡単に言ってしまえばそうです。銀行も土地に対しての評価と建物に対しての評価でそれを担保に住宅ローンを貸します。今回の物件は銀行が建物の評価をほぼしないと考えて頂ければわかりやすいと思います」
主人:「なるほど」
私:「ありがとうございます」
私は心の中で「自己資金がある環境でよかった」と思い、3分の2ほど援助してくれる両親にも感謝の気持ちがわきました。

こうなってくるとなんだか追い風のような気分になり、これから内見するのがワクワクしてきました。

内見するとやはり広い、綺麗で気に入る

そして物件の前に到着しました。写真で見たとおりきれいな外観だなと思いました。

仲介会社さんがインターホンを鳴らし、中から売主の方だろう60過ぎくらいのご夫婦が玄関を開け出てきてくれました。

感じの良いご夫婦でした。2人のお子様は大きくなり家庭をそれぞれ築いており、ご夫婦でご自宅を売却後マンションに住み替え残ったお金で旅行などをしてこれから過ごしていきたいそうです

私は「仲もよく素敵な夫婦だなー」と思いました。

建物の中ですがやはり物件の値段から考えると間取図で見たとおり広く感じましたし、室内も予想よりきれいでした。

お子様が比較的大きくなったころに建てた家なのできれいに使われてます。

私たちは3、000万円近くの物件を内見したこともありましたが、この物件のほうが広く、きれいで実家も自転車で行ける範囲で土地勘もあったため、内見している間も「いいね」「きれいだね」「広いね」など夫婦二人ともプラスの言葉が終始口から出ている状態でした

内見が終わり両親にも物件を見てもらうことに

内見が終わり仲介会社さんと私たち家族で外に出ると、

仲介業者さん:「いかがでしたか?」

私と夫は目があいお互いうなずき、お互いが「この物件は買いたい」という気持ちであることを言葉に出さずにも感じ取れる状態でした。

そこで私が「前向きに検討したいので今から両親に連絡をして来てもらって一緒に内見できますか?たぶん15分~30分あれば来れるとおもいますので」

仲介会社さん:「承知しました。それではまずご両親にご連絡お願いします」

電話をして場所を説明して両親が20分弱で来れる事に。

そのまま仲介業者さんが売主の方にその旨を伝え快く快諾頂きました。

いざ、私たち家族と両親で内見となりました。

両親もいい家だなと言ってくれ売主のご夫婦ともしばらくお話などもして内見を終えました。

外に出ると、

父:「我々が住む家じゃないから自分たちで話して決めなさい。ここを買うことももちろん反対するつもりはないよ」

母:「いいお家よね」

そう言ってあとはサヨナラの挨拶を夫や孫、仲介会社さんにして帰っていきました。

ちなみにこの時の内見中に

父:「安くないか?」

私:「建物が規定より大きく建ってるから。でもすぐに建てかえるわけじゃないしね」

とそんな会話だけだったので父は違反建築の件に関してほとんど認識してなかったと思います。

両親の内見も終わり仲介会社さんへ行き打ち合わせ

内見が終わり一旦車に乗りました。

仲介会社さん:「いかがですか?」

私と夫は再び目を合わせ、再び暗黙の了解でお互い頷き、

夫:「是非購入する方向で考えたいです」

もちろん私も同じ気持ちでした。

仲介会社さん「では弊社で諸費用の金額もだし、細かな打ち合わせなどもしましょう」

車でそのまま仲介会社さん店舗へ。

諸費用を出して頂きおおよそ物件金額以外に110万円程かかることがわかりました。

2180万円と諸経費110万円で合計2290万円。

少し壁紙を張り替えたり室内掃除もプロにしてもらおうと思ったのと、引っ越し費用や家具を少し買ったりと思い1840万円を現金で残りの450万円を夫の単独での住宅ローンにする計画をたてました。

あと、売主さんの引っ越し先も同じ担当者が担当しているそうで近くのマンションで目星がついていること、今後の日程などなど説明してもらいました。

また出てきたばかりの物件だったのもわかってたのですがダメもとで「金額交渉はできますか?」と聞いたところやはり難しそうでした。

でもそこは私たち夫婦も納得しました。

申込みへ、「契約は明日」の提案を受ける

夫が人生で初めての家を買う申込書にサインをするのを横でみていました。

その申込書の途中の『契約希望日』の欄にきた時に、仲介業者さんから契約は明日できないかと言われました。

私たちは少し急に物事が進むことに驚きましたが、自己資金もしっかりあり、地元の方で、ローンも心配ないのでそれでしたら物件をおさえられますとご提案頂き、私たちも承諾しました。

もう一度『建ぺい率と容積率オーバー』について次回は同じ大きさの建物が建築できない旨を告げられ、私たちも納得して店舗を出て自宅へ車で送ってもらいました。

午後に申込金の100万円もおろし、スーパーで買い物をして夕飯を作り家族で夕飯も食べてと、いつも通りの休日の午後を過ごしました。

夕食を食べながら夫とあそこには何を置こうとか、ダイニングテーブルはこういったようなものに買い替えようとか、いろいろ引っ越し後の夢膨らむ会話をしていました。

次の日に契約へ

次の日の朝また仲介会社の担当者が車で迎えに来てくれ、子供は母が来てくれて自宅で子守をお願いし夫婦でいざ店舗へ。

売主様夫婦もきておりました。宜しくお願いしますとあいさつも終えいざ契約へ。

担当者の上司も同席し、テーブルには仲介会社さん2人、売主ご夫婦2人、私たち夫婦2人の計6人です。

担当者が進行を始めいざ契約が始まりました。

専門用語が多い中時々、上司の方が補足でわかりやすく説明を頂きながら半ばくらいまで進んだ頃でした。

思わぬ文章を目にします。

監督官庁より是正命令

『建ぺい率と容積率を超過しており、建築確認の内容と異なる建物のため違反建築物として監督官庁より是正命令を受ける場合があることをあらかじめご承知下さい』

私は「????」

びっくりしました。夫も同じだったと後で聞きました。

言い方なのかもしれませんが、とても重たい言葉に聞こえました。

そこで上司がすぐさま、

上司:「建ぺい率や容積率をオーバーしている物件の契約書にはこれと同じ文を必ず入れるようにしています。いままで当社でもこういった契約をいくつもしてきましたが、お引っ越し後に実際に是正命令、つまり建物を取り壊しなさいなどの指摘を区から受けたのを聞いたことはありません。一応可能性が0%でない以上不動産会社としてこういった文をいれて説明する義務がございます。ご心配なさらないで下さい。売主様も今まで住んでこられましたし」

少し間をあけ私たちは、
夫:「はい」
私:「はい」

なんだかその時はそれが当たり前だと思い納得したのでしょうか。

それ以上質問をすることなく、まして目の前に今まで14年間その家に住んでいたご夫婦もいるのですから。

その場の契約の場の雰囲もあったと思います。

私は何か心のなかでつっかえていた状態のまま契約が進んでいく中に身を置いていました。

購入前にいろいろ調べなかったことの後悔

そして契約金を支払い署名と押印も終えました。

でも私の中では『是正命令』『建物取り壊し』などネガティブな単語が連鎖してました。

やはり一生に一度の大きな買い物なので契約の前にもう少し詳しくリスクなどの話を確認したり、調べたりすればよかったなと思いながらの契約でした。

夫はそれほど気にしてないようでしたが私は顔に出ていたと思います。

契約も終わり送って頂き家に着き母を見送ると、なんかまたネガティブな気持ちになってきました。

夫に話しても「大丈夫でしょ。そういう家はたくさん建ってるって」夫はこのあともずっとこういう感じだったため、私だけ不安を抱え込んでいくこととなります。

引っ越しまでの間に違反建築について調べる

その後引っ越しまで2ヶ月程あったのでいろいろ調べました。

調べた結果、違反建築には建てた当時は違反ではなく、きまりをきちんと守り建てられたもので、その後決まりが変わり違反建築(既存不適格建物)となるものと、

建てる時から違反と分かって建てたタイの2つあるようで、今回の建物は後者のはじめから違反建築です

こうなると「区から改善などの要求がくる可能性がある」最悪壊して建て替え‥‥。

そうなったらどれほどの後悔が生まれるのか。費やしたお金はほぼ全財産。もちろん返ってこない。想像もできません。

ほとんどの場合のケースは近隣からの役所へのリークが多いそうです。

「そういえば近隣の方はどんな方が住んでるのか契約前に質問したりしなかったな。聞いておけばよかったな。」

「住み始めて取り壊してなんて言われたらどうしよう」

「こんな心配を抱きながら引っ越ししなければならないのか」

など私の性格上ネガティブの方向へ気持ちが言った状態のまま、引っ越し手続きや新しい家具の買い物など着々と引っ越しの準備は進んでいきます。

両親や夫にこの不安を伝えても、皆は「気にしすぎだ」というような答えです。

自分の思い詰めてしまう性格がとても嫌いになりました。この件を忘れて前向きになろうと何度も思いましたがダメでした。自分で自分が嫌になりました。

引っ越して近所にも挨拶。モヤモヤは取れず。

いざ、引っ越しの日。

土曜日に引っ越しのためお隣は両方いらっしゃってご挨拶をしました。

非常によい方々で「これからよろしく」といった感じで私たちを迎え入れてくれました。

近所もいらっしゃった方には挨拶をし、留守の方々は今度お会いしたらきちんと挨拶をしようということとなりました。

私は少し安心したと思います。

でも心のモヤモヤはこの後住み始めてもなかなかとれませんでした

家の近くで近所の人同士が話をしてたり、主婦の井戸端会議なんかを見かけるとどうしても我が家のことを噂しているんじゃないかといった気持になり、知らぬ間にみんなが敵のように見えてしまいました。

私もお会いした時は笑顔でご挨拶しますが、それも偽りのものでした。

「安くて希望どおりだったけどこの家は買うんじゃなかった」とよく思いながら生活していました。

引っ越し後3年経過

この文を書いている時、住み始めて約3年が経ちました。

一昨年に2番目の子を授かることができました。

出産前にこれからの家族4人の幸せな生活を考えたりする機会が増えてきて、上の子の成長をみながら毎日専業主婦ながら忙しく過ごしていき、出産後に近所の方々にもお祝いの言葉を頂き非常にしあわせな日々を過ごしてきました。

今も2人の子を育てながら家族4人幸せな日々を送っています。

違反建築に関してのクレームなどもちろん一度もありません。

こんな言い方は変かもしれませんが、2番目の子に恵まれたことで違反建築のことはいつの間にか忘れていたというか、考えないようになっていったので2番目の子には感謝しています。

これから家を買う方へ言いたいこと

長くなりましたが最後にこういった事を経験した私からこれからマイホーム購入を検討している方々へ言えるのは、

不動産は購入契約後に通販のようにキャンセルできるものではないので、物件をみた勢いなどですぐに決めず、いろいろと担当者に質問したり周辺の環境などを自分たちで調べられることは調べて、十分納得したうえで購入してもらいたいです。

こういった安い物件には、私のような心配性な人間には安いの代償に不安などももたらす可能性もあることをお忘れなく。

物件や周辺などだけでなく、様々なことを考えて、家庭の皆が幸せに過ごせるマイホームを手に入れて下さい。

建ぺい率と容積率オーバーの物件を住宅ローンで購入

2017.05.13